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北村:御社の業務内容を教えてください
大城社長:新幹線、大学、ビル等の窓ガラスに液剤を塗る仕事をしています。
北村:液剤の働きについて教えてもらえますか
大城:超微粒子の金属が溶け込んでいる液体になります。これをガラス等に塗ることによって、そこから入ってくる紫外線や熱を大幅にカットすることができます。
今までのように反射させることではなく、透明性を保ったままであるところが特徴です。
これが世の中に広まれば夏は涼しく冬は暖房の温度を保ち、省エネを大きく助けることになると考えています。
北村:そうですね。今年はクールビズも省エネ運動の一環として始まっており、今後注目されている問題ですね。
しかし、社長がこの塗料を開発できた要因というのはなんなのでしょうか?
大城:よく言われるんですけど、例えば科学記号を教えてくれといわれても、教えられない。つまりそれがわかっていれば苦労はしないんです。理論は通用しません。理論が通用するのなら、とっくにハイテク機器を持っている大手企業が開発しているはずだからです。
我々は10年かけてそれがようやくここに形になりました。そしていよいよ販売に乗り出すというところなんです。
北村:10年!それはすごいですね。社長にとって10年間はどんなものだったのでしょうか?
大城:失敗の連続でした。
最初は数人で始めたこの事業も10年の間に私一人になってしまいました。
実験室では上手くいくものなんですが、現場に行くと全てことごとく失敗でした。
塗料の開発だけではなく、器具と現場のノウハウ、それらが三位一体になって初めて成功すると
いう難しいビジネスだったのです。
北村:10年間でやめようと思ったことはありませんでしたか?
大城:何度かあります。ただ、そんなときは自分をこういう風に勇気付けてきました。
このガラス塗料の市場は難しい。難しいからこそ100回、200回失敗します。ですが、201回目には成功するかもしれません。そのときにはその201回分が全部自分のものになるんだ、と。
難しいからこそ、チャレンジする意義があります。
コツコツと地道な実験を積み重ね、それにより生まれたアイデアを試し、そしてまたコツコツと努力を重ねるといったことを繰り返して頑張ってきました。
北村:「ガラス塗料」の難しさは具体的に言うとどういうところなのでしょうか?
大城:単純な塗料だけであれば日々さまざまなところで生まれていますが、ことガラスに関しては難しいのです。
例えばガラスに金属塗料を塗れば通常は化学変化を起こして白濁してしまいまし、湿度やガラスの熱といった障害に悩まされていました。
そこで我々は特殊なスポンジ器具を考案したり、塗り方や液体の量なども工夫して、塗料以外のあらゆるものを改善する必要がありました。
北村:器具、ノウハウ、塗料がこうして完成したわけですが、社長はどのようにしてこれを市場に販売していこうとされているのでしょうか?
大城:我々はこの塗料を単純に販売していこうとは思っていません。それだけでは上手く市場に浸透していかないと考えるからです。先ほども申し上げましたように様々な器具や天気や温度に合わせた塗り方といったノウハウが求められる為、実際に現場で作業する人が重要となってくるからです。
私が今考えていることは全国にいる中高年の方々に塗って頂こうと考えています。これは雇用促進の意味もあるのです。
現場にきちんとした「指導者」さえいればあとは初めて塗る方でも簡単にできるような仕組みを作り上げています。
北村:職人さんの仕事というと一人前になるまですごく期間をようするように思ってしまうのですが・・・?
大城:難しいものを難しくするのは簡単です。難しいものをいかに簡単なものに仕組化してしまうか?そうすることでビジネスとして成り立つのだと思います。
北村:今後の展開を教えてください。
大城:社会経験の豊富な中高年の方の雇用促進に努めるという意味もあり、加盟金を頂かずに塗布用器具を購入していただくだけで誰でも簡単にこのビジネスに参画できるようにしたいと思っています。
そして更に高度な技術を求められる場合を想定して、研修所を設けて人を育てていきたいですね。
目指すは全国展開。5年後のビジョンも固まっていますよ!
北村:最後にこの事業を通して学んだ大事なことを教えてください。
大城:この事業を始めるにあたって当初学者さんと組んでいたのですが、すぐ、ハイテク機器を要求されるんですよ。
で、購入するのですが、また新しいのが出たので、これも買ってくれと。キリがないわけです。
その結果、常識なものからは所詮、常識なものしか生まれませんでした。それだけでは駄目なんです。
それを非常識なもの、今まで不可能とされてきたもの、求めているものに変えるにはアナログな人間の手を経て試行錯誤の末、何かの弾みで生まれたヒントをもとに常識の範囲外から初めて生まれてくるものなのです。
北村:全てのビジネスに応用できる、貴重なお話しをお聞きすることができました。ありがとうございました。 |