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■普通教育に「自己演出」という科目を追加したい
星野:企業の新しいPR手法として社長PRを提唱されていると思いますが、社長PRについて簡単にお教えいただけますでしょうか。
鶴野社長(以下鶴野):はい。社長PRとは、社長個人をメディア露出によって広告塔にし、会社の認知度を上げ、売上アップや採用面の向上を促すものです。 社長自身をブランド化することにより、多額な広告費やプレスリリースを行わなくても、多数のメディアに紹介されるようにコンサルティングいたします。 当社自身、数々のメディアに出続けておりますが、これまで掲載にはまったくお金はかかっていません。
また、プレスリリースを出してきたわけでありません。 しかし、2005年の創業時から現在まで、ほとんど営業することなく、仕事の紹介や問い合わせが途絶えることはありません。 それは会社を露出しようとするのではなく社長個人を戦略的に発信してきたからです。 ブログなどで社長自身が継続的に情報発信を行い、社長個人を○○の専門家というブランド化していくこと、それが社長PRです。
星野:
売上アップや採用以外に社長PRはどのようなメリットがありますか。
鶴野:私自身いろいろな企業様をコンサルティングしていて思うのは、それ以上に社員のモチベーションの向上につながるということです。
考えてみてください。社長が毎朝朝礼で言っていることが、新聞やTVなどで紹介されたら、急に社長の話を本気で聞くようになると思うんです。そして営業に行っても、お客様から「ああ、あの○○さんね。TVで見ましたよ。」と言われるようになってきます。社長が多くのメディアに露出し、社長がメディア化することで、他の社員の人も自分も頑張ったらそうなれるのではというロールモデルが作れたり、もっと自社に誇りを持てるようになると思ったのです。
社長が外部で話せば社内にも自然に浸透し、社内の共通理解も深まります。
そうすると社員自身のやる気や会社の結束力が自然と高まってくるのです。
これまで商品のPRというは、積極的に行われてきましたが、個人のPRというのはあまり行われてきませんでした。会社の個人に焦点を当てたとき、情報発信をして一番効果的なのは社長です。ですので、この点はまだまだ可能性が高い領域であると思います。
星野:社長PRは御社の事業の中の一つであると伺ったのですが、御社の事業内容を教えていただけますか?
鶴野:はい。当社はコミュニケーションに特化した教育事業の会社です。 「自己演出」というテーマに注目し、自分自身をいかに効果的に発信するかという点を専門に伝えていく教育コンテンツメーカーとも言えます。
事業内容としては、教材作成や研修セミナーのプログラム開発、執筆を行ったりといった事業を行っております。 自己演出というテーマはお客様ごとに解決したい問題が違いますから、各プロジェクトごとに必要な外部の専門家と連携して動いていくパターンが多いですね。
星野:なぜ自己演出を主軸とした事業を行うようになったのでしょうか。
鶴野:はい。それは私が会社員だったときに、長らく自分探しで悩んだことがきっかけです。つまり私自身、自分が何者かわからなかったんですね。 当時はこれからどう仕事をしていったら良いのか、はっきりとつかめていませんでした。
そのブレークスルーが、「自己演出」だったんです。
私はもともとPRの仕事のバックグラウンドがあり、PRに関する情報発信をしていたのですが、そのために色々な人と話をするなかで、さまざまな専門情報にアクセスできるようになりました。
それらの情報をまとめて情報発信すると、「そんなこと初めて聞きました!」「こんなこと知りませんか?」って、しだいにその分野のHUB(ハブ)のような存在になり色々な人から問い合わせが来始めたのです。 そして次第にこの分野ならあの人だよねと、周りから見られるようになってきたのです。
これが今日の自己演出の方法論のもとになっている経験です。
そのあたりから、どんな情報を出したら読者に喜ばれるのかと考えるようになり、自分がメディアになっていくことの価値や面白さに気づいてきたのですね。
ではその点を追求してみようと考え、何をコンテンツにし情報発信するかを考えました。
そして自分がこれまでの人生を通して、ずっとコミュニケーションを軸に経験を積んできたことに気づき、そのコミュニケーションを情報発信の、そして事業のテーマにしていこうと決めました。
ところが、この「コミュニケーション」は、とても曖昧な概念なんです。
たとえば、転職用のホームページに記載してある採用基準をみると、よく「コミュニケーション力重視」ということ書かれていますよね。でもコミュニケーション力とは何を意味しているかわかりますか?
恐らく挨拶ができる、返事が良い、受け答えができるなど、皆さんそれぞれの定義をおっしゃっていますよね。 実は「コミュニケーション」に共有されている定義はないんです。 たしかにコミュニケーションとは相手と自分が存在して初めて成り立つものですから、人によってそのイメージも異なるかもしれません。ただ、私は相手に何かを伝えるときに誰でも共通する効果的なコミュニケーションの方法が必ずあると思ったのです。
この共通する効果的なコミュニケーションの方法を体系化し広く伝えていくことは、自分にとって、とてもやりがいのある大きなテーマだと思いました。
これが自己演出という分野を作るきっかけになります。
様々な試行錯誤を繰り返す中で、ある日、なぜ自分はそもそもこういったことが好きなのだろうと自分を振り返りました。そのときにやはり自分の名前で仕事をしていきたいという気持ちが強かったのだなと気づきました。そしてそれまでのキャリアに重点をおいていた考えから脱却し、自分の名前で仕事をしていこうと思ったのです。
自分の名前で仕事をしていくこととは何か、と考えたときに、自分の価値を周りの人に認めてもらいながら、自分がやりたいことを追求していける状態なのだろうと思いました。そのためには自分がこういうことができる、こういうことが詳しいということを、知ってもらわなくてはいけないという点にたどり着いて、それがきっと「自己演出」なのだろうと思ったのです。
私は当時会社員として大手電気メーカーに勤めていたのですが、自己演出にたどり着いた私はそのときから自己演出プロデューサーという肩書きをつけた名刺を自分で用意して配り始めました。
自分の名刺を作ったのは、大企業の名刺を渡すとどうしても、その会社名の印象が強く、私個人としての印象が残りにくいと思ったからです。
大きいことを言うようですが、その会社の○○です、という自己紹介をしている限りは、その会社以上のネームバリューは持てないと。
それを「あの鶴野さん」と呼ばれるためには、高い発信力を持ち、ある分野を初めてまとめ、イニシアティブを持って活動を行うなど、自分を核にしたその分野のコミュニティをどうやってひろめていくかが重要になってきます。
自己演出というテーマは今までになかったカテゴリーですので、この価値観を広めていくには、啓蒙活動しかないという結論になり、この事業にたどり着いたのです。
■普通教育に「自己演出」という科目を追加したい
「自己演出」という分野の啓蒙活動を続け、ゆくゆくは普通教育の中に自己演出という科目を追加したいと思っています。 例えば小学校で教わる科目は国語・算数・理科・社会だと思いますが、それに自己演出という科目を追加したいですね。国語・算数・理科・社会・自己演出といった様にです。これを小学校から大学まで普通教育の中に組み込んで、一人ひとりに自己演出の重要性を伝えたいと思っています。
しかしまだ自己演出を行うにはどのようなやり方が良いのか知られていませんので、その方法を普及させたいと思い2005年にこのビーンスター株式会社を設立いたしました。
お話の途中ですが、今回の紹介はここまでとなります。次回は実際に、社長PRの具体的なやり方やポイント、メディアに取材されるコツなどをご紹介いたします。お楽しみに。
鶴野充茂(つるの みつしげ)
ビーンスター株式会社 代表取締役/自己演出プロデューサー
大阪府堺市出身。
筑波大学(心理学)、米コロンビア大学院(国際メディア・コミュニケーション)卒業。同大学院でPR、プレゼンテーション・パブリックスピーチの徹底指導を受ける。在英国日本大使館、国連機関、米系大手PR会社、ソニーを経て独立。
対人コミュニケーションから企業コミュニケーションまで一貫して「コミュニケーション」と「情報発信」をテーマに経験を積む。広報部門で、トップマネジメントのプレゼン内容を執筆・編集し、事業戦略・開発部門で、数多くの提携案件を進めるために交渉先企業の役員向けから社内の説明まで毎日のように交渉・提案・説明・説得のプレゼンを続けていた。
2000年から広報・広告・メディア・マーケティングなど「伝える」仕事をしている人たちのための同業種ネットワークを主宰し、会員は現在約千人。
■広報マンドットコム/メディア&コミュニケーション研究会(メデコミ会)
著書には、
「100%無理な話も通す技術」
「あたりまえだけどなかなかできない説明のルール」(明日香出版社)、「SNS的仕事術」(ソフトバンク新書)、「転職を考え始めたら読む本」(全日出版)、「できる社員は要領がいい」(ディーアート)、「つるの式仕事術」(IEC)などがある。
また今回は特別に社長PRについてより深く書かれた書籍の提供も行っております。
書店には販売していない特別な書籍になりますので、社長PR、個人の自己演出や認知度アップに興味のある皆さまはこの機会に是非一度お読みになられてはいかがでしょうか。
「なぜあの人はあんなにメディアで紹介されるのか?」 |
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