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【後編】
■コンサルではなく実務を支援する
星野:経営支援会社「株式会社アイ・コンセプト」を設立後、具体的にどのような業務を行ったのでしょうか。
鈴木社長(以下鈴木):起業後、まず行ったのはリストラ代行業務です。
外部から中小企業を支援する、社長を支援するというところが当社の一番のポイントだったのですが、当時は一般的に業績を上げるにはリストラを行うというのが流行っていた時代でした。
リストラは光通信時代にも行ったことはありましたが、やはり思ったのはこうした業務は社内の人がやるべきではないということです。
社内の人が行うとリストラした人たちから、いろいろと言われてしまいますからね。
その後、縁があって上場したいという会社を紹介されたこともあり、上場支援の業務を始めることになりました。
星野:御社の強みとしては、どのようなものがあるのでしょうか。
鈴木:銀行員時代の経験から、当社では実際にお客様先に入って一緒に業務を行っていくという点がひとつのポイントです。
社外のスタンスでありながら、一緒に社内で入り込んで経営支援業務行っています。
この点が当社の強みになっていると思います。
よく上場支援をしていると言うとコンサルタントと呼ばれることがあるのですが、我々はコンサルタントではないと常々言っています。
コンサルタントであると、問題点を指摘するだけになりがちなんですね。ここをいついつまでに直してくださいと言うような。
しかし、我々は指摘したところを一緒に直していきます。
ですので、スピーディかつ正確に修正を行うことができます。
こうした外部の人が社内に入り込んで業務を行うというスタイルは結論から言うと、正解だったかなと思います。
経営者って社内の身内の人間にいろいろと言われるのって嫌なんです。
しかし第三者から指摘されると素直に聞きやすいんですね。
それに社外の人間であるからこそ、社内の人がやることに比べ合理的な判断ができますから。
おかげ様で現在当社では営業社員は一人もおらず紹介だけで会社が運営できています。設立時からこれまですべて紹介です。
最近では紹介で1部上場企業から内部統制支援の依頼も来ました。
■ノウハウをオープンにする
星野:同業他社は、なぜそのように社内で一緒に業務を行わないのでしょうか。
鈴木:はっきり言えば、手間だからです。
社内に入り込むということは、多くの知識と経験が必要になります。
コンサルの様に間違いを指摘する形であれば、逆に質問を受けたとしても持ち帰って検討することができますが、社内で業務を行う場合は、そこで判断しなければならないわけです。
それには、長い経験と高いスキルが必要になります。経営者と対等に話さなければなりませんから。
だから人の育成に時間がかかるのです。
そのため当社は急激な事業拡大をしづらいというデメリットもありますが(笑)
また当社のもうひとつのポイントとしてノウハウをオープンにするということがあります。
当社の業務のひとつに上場支援がありますが、一般的に上場コンサルを行っている人は、個人の頭の中だけにノウハウがあるんですね。表に出ていないんです。
ノウハウをオープンにしてしまうことは、自分の仕事を失うことにもつながりますから。
それに上場の際には多額の資金が動きます。そのため上場コンサルを行う人の中には大した知識がないにも関わらず、コンサルを名のる人たちが存在します。
「私たちの言うことを聞けば上場できるよ」と言って、上場したい企業に入り込み、結局失敗してしまう。
しかし、自分のせいではなく言うことを聞かなかった会社が悪いといったりするんですね。
会社も上場は初めてのことですのでわかりませんから、そうだったのかと納得してしまう。
こうして結局、最初は上場できたはずなのに、最終的には上場できなくなってしまったという会社もたくさんあります。
こうした現状は経営者にとってあってはならないことですし、いうなれば日本の資本主義社会の発展にまったく寄与しないことだと思います。
われわれはこうした状況の中で上場の過程やプロセスの可視化を目指しています。
「上場ってどうすればいいのか」というところを目に見える形で、見せてあげる。
それが重要だと考えております。
星野:それは御社のノウハウの流出になりませんか?
鈴木:もちろんなります。
しかし当社はノウハウの提供はお金をいただかないというスタンスでやっています。
ノウハウを提供してお金をいただくのがコンサルです。当社は企業に入り込んで一緒にものを作ってそれでお金をいただくスタイルですから、コンサルではないんです。
ノウハウをオープンにして、上場ってこういうことができたら上場できます。こういう社長は上場できます、上場できませんと、最初からある程度わからせてあげた方が結局お互いのためになるんです。
利益だけを考えるのであれば、上場が見込めない会社に対して「上場できますよ」と言ってお金をもらうことだってできますが、それは、日本経済という広い視野で考えたときにまったく意味がないことですよね。
ですので、当社は「上場をもっとガラス張りにしたい」という思いでやっています。
内部統制もしかりです。ノウハウをどんどんとオープンにしていきたいと考えています。
そして、各社が当社のノウハウを使って、自社でできるのであればやってもらって、日本の経済を強くしていきたいと思います。
そうしていかないと日本がおかしくなってしまう気がします。
日本全体が幸せになっていけばいいですね。
そうして景気が良くなっていけば自動的にまた当社への仕事も増えますしね(笑)
■CFO学部の創設へ
鈴木:また将来的には、日本の経営者からCFO、CEOを明確に切り分けて、より経済が成長しやすい環境を作るべきだと思います。
そのために実際に今、国からの委託事業で、ある専門学校と一緒にCFOの育成カリキュラムの制作メンバーの一員としてもやっています。
まだ学問的にもこれからの分野ですが、来年、再来年には講座の開講を目指しています。
そしてゆくゆくはCFOが大学の講義や学部などにもなっていったらいいですね。
星野:本日はありがとうございました。
【略歴】
・1991年 株式会社第一勧業銀行(現みずほ銀行)入社 企業融資を手がける。
・2000年 株式会社光通信入社
人事部(人事管理課課長)、事業開発部(事業開発課課長)等を歴任。人事部ではグループ企業含めて300名のリストラを敢行。事業開発部では子会社・関連会社の上場支援に携わる。
・2001年 アイ・コンセプト社設立
現在までに40社以上の株式公開・内部統制支援を手がけている。
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